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ひざの痛み

Q.ひざの痛みとは?

A.急性と慢性により大きく分かれますが、多くの場合は以下のような症状が見られます。

慢性の症状

主として高齢の患者さんに多くにみられる症状

1.動作をすると痛い

(例)

  • 歩くと痛い 
  • 階段を昇り降りすると痛い
  • 正座すると痛い(正座ができない) など

2.じっとしていても痛い

→症状が進行した状態であることが多い

の2パターンが主なものです。

また、

  • 年齢を重ねることで徐々に痛みが進行している状態
  • 痛みの程度は軽度だが長期間改善されなくて困っている
  • 何か無理な動きをした際に突然痛くなった

というケースもとても多いものです。

また、プロスポーツ選手やひざを酷使される仕事をされる方は、ある年齢に差し掛かると急に激しい痛みに襲われることがあります。

よく耳にする「ひざに水が溜まる」という症状はどんなものですか?

「ひざに水が溜まる」というのは、ひざに痛みを発症するごく一部の方に起きる症状です。水が溜まることで痛みが発生するイメージをお持ちになられる患者さんは非常に多いですが、実は痛みとは直接的に関係はありません。「ひざの水」とは一体何かと言うと、ひざの関節が削れることによりまわりに炎症物質が発生し分泌されるものです。例えば関節のかけらがゴリゴリと中で擦れるなどした際、関節の滑膜が刺激され関節液が溜まります。それが「ひざに水が溜まる」と表現される状態です。私たちは鼻風邪を引くと鼻水が、結膜炎を起こすと涙が出ます。そういった現象と同じように、軟骨が薄くなり関節炎を引き起こすことで分泌液が溜まります。あくまで関節炎に由来するものですから、単に軟骨が薄くなった状態だけである方には「ひざに水が溜まる」という状況は発生しません。

急性の症状

年齢問わず、急激に発生する症状

スポーツ等による怪我

  • 打撲
  • 転倒
  • スポーツのし過ぎ 

などによるものが主です。

 また、スポーツに関する病として特に多い事例は

  • 半月板損傷
  • 内側側副靭帯損傷
  • 外側側副靭帯損傷
  • 前十字靭帯損傷
  • 後十字靭帯損傷

などです。

かなりの激痛と血液の貯留によるひどい腫れを伴います。

痛風性の関節炎

痛風は足の親指に発症する方が多いですが、実はひざに症状を感じられる患者さんも珍しくありません。
中年男性で急にひざに痛みや腫れを感じられる方には比較的多くみられる症状です。

Q.どうやって診断・理療をするの?

A.まずはレントゲンでひざの変形の度合いを確認します。

変形が認められた場合(変形性膝関節症)

まずは痛みをコントロールするために消炎鎮痛剤・湿布等を用いて治療を開始します。
また、長年使用してきたひざの摩耗(加齢的変化)による痛みの場合には、ヒアルロン酸注射を施します。ヒアルロン酸は潤滑油的な作用があります。週1回の注射×5回を治療の目安とし、その後は2週間に1回というペースで症状が改善されるまで行います。痛みや腫れがひどい場合は、ヒアルロン酸に加えてステロイドの薬を注入する場合もあります。ほとんどの患者さんの場合、ヒアルロン酸注射によって状況は改善されます。
加えて、当院の理学療法士による関節の可動域訓練、下肢の筋力強化を行います。院内で理学療法士と共に行うリハビリに加えて、ご自宅でもできる運動のご提案と合わせて行っています。理学療法士による専門性高い知識と技術による効果的な運動療法を当院では非常に重要視しています。

靭帯損傷などはMRIの詳細な画像診断を用いて行います

靭帯損傷や半月板損傷などの判断は、一般的な整形外科では大きな病院への紹介を余儀なくされるものですが、当院ではMRIを備えておりますので迅速かつ詳細な検査・診断を行えます。靭帯損傷や半月板損傷などの症状は初期の診断と早期の処置がなにより重要であり、実際の治療には手術を介する可能性が大きいです。手術となった場合も、早期に行えるほど筋力の低下も最小限に押さえられるため、早期発見・早期治療はなにより患者さんのスムーズな回復に有効です。

痛風性の関節炎は、腫れの状況と尿酸値により診断できます

痛風性の関節炎は主に服薬治療となります。関節炎により内部に分泌液が溜まっている患者さんも多いので、こちらでそれを除去することで楽になられる方はとても多いです。内科でのコントロールも合わせて必要となる病です。

MRIでの画像診断でなければ見つかりにくい病もあります

骨壊死

骨髄の血行障害により大腿骨のひざ部分が壊死する病です。
通常、骨はMRIでは白く写りますが、骨壊死した部分は黒く写ります。
痛みとしては変形性膝関節症と同じように徐々に進行するため、一般的な診察ではその差異がわかりにくいものです。MRIでの画像診断を用いることでその違いは明確になります。ひどく悪化している場合は大学病院等へご紹介いたします。

Q.治療にはどれくらいの期間を要するものですか?

A.たった数回の治療で改善される方もいれば、長期にわたるメンテナンスにお越しの方までさまざまです。
例えば変形性膝関節症であれば、ヒアルロン酸注射による治療を5回行うことで痛みをすっかり感じなくなられる方から、現状維持のために20年以上治療にお通いになられている方までさまざまです。靭帯損傷については3か月から半年程度を現場復帰の目安として治療に取り組んでいます。

Q.ひざの痛みと体重の関係性はありますか?

A.一般的にひざにかかる負担は体重の約5倍と言われています。
ひざへの負担は慢性の病にも急性の症状にも等しく関係しています。1kg体重が落ちれば、ひざに対する負担は5㎏下がる計算となります。過度の肥満がある方にはBMI数値が22~25の間に来るように当院では指導させていただいています。

これから先もご自身の足でしっかり歩いていくために
『寝たきり状態を防ぐ』というのは私たち整形外科に携わる者としての大きな使命です。自分の足で一生お元気にお過ごしいただくためにも、高齢になるほど足そのものの持つ筋力維持はとても重要な課題です。特にひざは「歩く」という人間の基本動作に密接に関わっています。日本整形外科学会では、ひざ周りの筋力向上のために簡単なスクワットを薦めていますが、間違ったやり方は逆にひざに多大なるダメージを与える可能性があります。
当院では、理学療法士による正しい技術と知識に基づく運動指導を提供させていただいております。ご自身のこれからの人生を長く見据えた中に、理学療法士による指導はとても重要な価値があるものとして当院では大切に考えています。

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