圧迫骨折
圧迫骨折とは、背骨を構成する骨である椎体が、上下からの強い圧力によって押しつぶされるように変形してしまう骨折のことです。特にご高齢の方や骨の強さが低下している方に多く見られ、しりもちをつくなどの軽い衝撃だけでなく、くしゃみや重いものを持ち上げるといった日常生活の動作の中でいつのまにか骨折していることも少なくありません。田中整形外科クリニックは、西宮市の阪急苦楽園口駅からすぐの場所にあり、地域の皆様に支えられて30周年を迎えました。当院では、日本整形外科学会専門医や脊椎脊髄病医としての経験を持つ医師のもと、MRIや高度な骨密度測定機器を活用し、目に見えにくい小さな骨折も見逃さないよう精密な診断を心がけています。単に痛みを取るだけでなく、その後の生活の質を維持するために、109平方メートルという広々としたリハビリテーション室で理学療法士とともに再発させない体づくりをサポートすることが私たちの使命です。苦楽園や夙川、甲陽園といった地域の皆様が、再び笑顔で安心して歩けるよう全力で取り組んでまいります。
圧迫骨折の症状について
圧迫骨折の症状は、骨折した直後に激しい痛みが出る場合と、いつの間にか進行していて、じわじわと痛みが強くなる場合の2つのパターンがあります。多くの方が腰や背中の痛みをきっかけに来院されますが、単なる腰痛だと思って放置してしまうと、背骨の変形が進んでしまうこともあるため注意が必要です。
急激な痛みと動作時の不快感
重い荷物を持ったり、しりもちをついたりした直後に、背中や腰に激痛が走るのが典型的な症状です。特に動作の切り替え時に痛みが強く出ることが多く、以下のような場面で支障をきたします。
- 寝返りを打とうとしたときに背中に響くような痛みがある
- 椅子から立ち上がるときや、床から起き上がるときに腰が抜けるような感じがする
- 長い時間立っていたり、歩いたりしていると背中が重だるく痛んでくる
- 咳やくしゃみをした衝撃で背中に鋭い痛みが走る
姿勢の変化と慢性的な不調
骨折によって背骨が押しつぶされると、背中が丸くなり、姿勢が変化します。これにより、痛み以外にも様々な身体の不調が現れることがあります。これは徐々に進行するため、ご自身では気づきにくい場合もあります。
- 以前に比べて身長が数センチ単位で縮んできた
- 背中が丸くなり、壁に背中をつけて立ったときに後頭部が壁につかない
- お腹が圧迫されることで、食欲が落ちたり逆流性食道炎のような症状が出たりする
- 肺が圧迫されて、少し動いただけで息切れがしやすくなる
腰の痛みの詳細については「腰の痛み」のページも参照してください。背骨のトラブルは早期発見が何よりも大切です。
圧迫骨折の原因について
圧迫骨折が起こる主な原因は、骨の強度が低下することにあります。健康な骨であれば、多少の衝撃で背骨が潰れることはありませんが、骨が弱くなっていると、本来なら怪我にならないような些細な力でも骨折に至ってしまいます。
骨粗鬆症による影響
圧迫骨折の最大の要因は骨粗鬆症です。加齢や閉経後のホルモンバランスの変化などにより、骨の中のカルシウムが減ってスカスカの状態になると、自分の体重を支えるだけでも背骨に負担がかかり、少しずつ潰れてしまいます。これを「いつのまにか骨折」と呼ぶこともあります。当院では、骨の健康状態を詳しく把握するために、精密な骨密度測定を行っています。骨密度の状態を知ることは、将来の骨折を防ぐための第一歩です。
骨の強度についての詳細は「骨粗鬆症の検査・治療」のページを参照してください。
日常生活における物理的な衝撃
骨が弱くなっている場合、以下のような何気ない動作が引き金となる要因になります。西宮の坂道が多い地域では、階段の昇り降りや坂道での踏ん張りなども負担になることがあります。
- 自宅の段差でつまずいてしりもちをついた
- 布団の上げ下ろしや、重い買い物袋を持ち上げた
- 勢いよく椅子に座り、背骨にドンという衝撃が加わった
- 激しいくしゃみや咳を繰り返した
その他の要因
稀なケースではありますが、転移性の腫瘍や、ステロイド薬の長期服用などが原因で骨の強度が低下し、圧迫骨折を招くこともあります。当院では、痛みの背景にどのような原因が隠れているか、日本整形外科学会専門医の視点から慎重に見極めます。もし、安静にしていても痛みが全く引かない、あるいは夜間に痛みが強まるといった場合は、精密な検査が必要です。当院での検査については「MRI精密検査」のページをご覧ください。
圧迫骨折の病気の種類について
圧迫骨折は、骨折の状態や時期、原因によっていくつかの種類に分けられます。それぞれの状態に応じて治療方針が変わるため、現在の状況を正しく把握することが重要です。
受傷時期による分類
骨折してからどれくらいの時間が経過しているかにより、以下のように区別されます。当院ではMRIを用いることで、これらを精密に見分けています。
新鮮圧迫骨折
骨折したばかりで、骨の内部に炎症や出血がある状態です。この時期は痛みが強く、安静や装具による固定が最も重要になります。早期に発見し、適切な処置を行うことで、骨が変形したまま固まるのを防ぐことが期待できます。
陳旧性圧迫骨折
骨折から時間が経過し、変形した状態で骨が固まった状態です。骨折そのものの痛みは落ち着いていることが多いですが、背骨が曲がったことで周囲の筋肉に負担がかかり、慢性的な腰痛の原因になることがあります。
骨の治り方による分類
骨折した後の経過が思わしくない場合、以下のような状態になることがあります。
偽関節
折れた骨がうまくつながらず、骨折した部分がグラグラと動いてしまう状態です。いつまでも痛みが引かず、神経を圧迫して足のしびれや麻痺を引き起こすこともあるため、より高度な治療や検討が必要になります。この状態を防ぐためには、初期段階での適切な固定と安静が欠かせません。
多発性骨折
骨粗鬆症が進行している方に多く、一つの場所だけでなく、複数の背骨が連鎖的に折れてしまう状態です。背中の曲がりが強くなり、内臓への負担や歩行困難につながるリスクが高まります。一つ目の骨折が起きた時点で、しっかりと予防に取り組むことが重要です。
圧迫骨折の治療法について
田中整形外科クリニックでは、患者さん一人ひとりの骨折の状態や生活環境、筋力などを考慮し、最適な治療プログラムを提案します。基本的には「骨をくっつけること」と「痛みを和らげること」、そして「再発を防ぐこと」の三本柱で治療を進めます。
保存的治療
多くの場合、手術を行わずに治療を進める保存療法が選択されます。体への負担が少なく、ご自身の治癒力を引き出す方法です。
- 装具療法・・オーダーメイドのコルセットを作成し、背骨の動きを制限して骨が潰れるのを防ぎます。
- 薬物療法・・痛みを抑えるお薬に加え、骨を強くするための骨粗鬆症のお薬を処方します。
- 生活指導・・骨に負担をかけない起き上がり方や、歩き方のコツを丁寧にお伝えします。
リハビリテーション
骨折後、長期間安静にしていると筋力が低下し、かえって腰痛が悪化したり、転倒しやすくなったりします。当院では国家資格を持つ理学療法士が、回復段階に合わせたリハビリを実施します。109平方メートルの広々としたリハビリ室で、のびのびと体を動かしていただけます。リハビリの詳細は「リハビリテーション」のページをご覧ください。
筋力維持トレーニング
背骨を支えるための腹筋や背筋、さらには歩行を安定させるための足の筋肉を無理のない範囲で鍛えます。これにより、背骨にかかる負担を分散させることができます。
ストレッチと姿勢矯正
骨折によって硬くなった周囲の関節や筋肉をほぐし、無理のない姿勢を取り戻せるよう指導します。丸くなった背中を無理に伸ばすのではなく、その方の状態に合わせた、負担の少ない姿勢を目指します。
骨粗鬆症の継続治療
圧迫骨折を一度起こした方は、二度目の骨折を起こすリスクが非常に高くなります。当院では、定期的な検査を行いながら、注射や内服薬を組み合わせて骨密度を高め、未来の骨折を予防する治療を継続して行います。これは、いつまでも自分のお足で歩き続けるために非常に大切なプロセスです。予防医療への取り組みは当院の強みの一つです。
圧迫骨折についてのよくある質問
Q1. 圧迫骨折は入院が必要ですか?
A1. 多くの場合は外来での通院治療が可能です。コルセットを装着し、日常生活の注意点を守りながら、リハビリテーションを行っていきます。ただし、痛みが極めて強く自宅での生活が困難な場合や、骨の破片が神経を圧迫して足の麻痺があるような場合には、入院設備のある医療機関をご紹介することもあります。当院では診断後、患者さんの状況に合わせて最適な療養環境をご提案します。
Q2. コルセットはいつまで着けていなければなりませんか?
A2. 個人差はありますが、一般的には2か月から3か月程度使用することが多いです。骨が安定してくる段階に合わせて、硬いコルセットから柔らかいものへ変更したり、徐々に外す時間を増やしたりしていきます。自己判断で外してしまうと、骨が潰れて固まってしまう原因になるため、医師や理学療法士と相談しながら進めることが大切です。
Q3. 圧迫骨折をした後、運動はしてもいいのでしょうか?
A3. 骨折直後の安静が必要な時期を過ぎれば、むしろ適切な運動が推奨されます。筋力が落ちてしまうと再発のリスクが高まるからです。当院では理学療法士が、骨に負担をかけない安全な運動メニューを作成します。激しいスポーツなどは避ける必要がありますが、ウォーキングや専用の体操などは積極的に取り入れていきましょう。
Q4. 「いつのまにか骨折」を予防するにはどうすればいいですか?
A4. まずはご自身の骨密度を知ることが第一歩です。特に閉経後の女性は、一度も検査を受けたことがなければ受診をお勧めします。また、食事でのカルシウム摂取、適度な日光浴、そして転倒しないための足腰の筋力維持が重要です。当院では予防医療に力を入れており、骨密度の検査から運動指導までトータルでサポートしています。
院長より
背中や腰の痛みは、年齢のせいだから仕方ないと諦めてしまわれがちですが、その陰に圧迫骨折が隠れていることは少なくありません。特に西宮の苦楽園地域で長年診療を続けておりますと、活動的でいらっしゃるからこそ、気づかないうちに骨に負担をかけてしまっている患者さんを多くお見受けします。私たちは、地域の皆様がいつまでも笑顔で、自分らしく生活できることを願っています。当院の理念である「街のおまわりさんのような、なんでも相談できるクリニック」として、どんな些細な不安にも寄り添います。
田中整形外科クリニックには、精密な診断を可能にするMRIや骨密度測定機器があり、経験豊富な日本整形外科学会専門医が診察を行います。さらに、理学療法士が常駐する開放感あふれるリハビリテーション室を備え、医師・理学療法士・患者さんの三位一体となった立体的なケアを実現できる体制を整えています。骨折を治すだけでなく、その後の人生を支える体力をどう守っていくか、共に考えていきましょう。
「最近、背中が丸くなってきた気がする」「重いものを持ったら腰が痛む」といった違和感があれば、遠慮なく当院へお越しください。苦楽園口駅からすぐ、専用駐車場も完備してお待ちしております。早期の受診が、未来の元気な体を作ります。一緒に、健やかな毎日を取り戻しましょう。
