テニス肘
テニス肘は、正式には「上腕骨外側上顆炎」と呼ばれる疾患で、肘の外側から手首にかけて痛みが生じるのが特徴です。名前にテニスと付いていますが、実際にはテニス愛好家だけでなく、重い物を持つお仕事の方や家事で腕を酷使する主婦の方、パソコン作業が多いデスクワーカーの方など、多くの方に見られる身近なトラブルです。物をつかんで持ち上げたり、雑巾を絞ったりする動作で鋭い痛みを感じ、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
西宮市の田中整形外科クリニックでは、日本整形外科学会専門医の資格を持つ院長が、患者さん一人ひとりの痛みの原因を詳しく診断いたします。当院は阪急苦楽園口駅の目の前に位置し、苦楽園や夙川、甲陽園といった地域の皆様に支えられながら、痛みの改善だけでなく「予防医療」にも注力してきました。肘の痛みは放置すると慢性化しやすいため、早い段階で適切なケアを始めることが大切です。
私たちのクリニックには、109平方メートルという広々としたリハビリテーション室があり、国家資格を持つ理学療法士が常駐しています。医師と理学療法士が密接に連携する「三位一体」の体制で、痛みの緩和から再発防止の運動指導まで、患者さんに寄り添ったプログラムをご提案します。肘の違和感でお悩みなら、些細なことでもお気軽にご来院ください。
テニス肘の症状について
テニス肘の主な症状は、肘の外側にある骨の出っ張り付近から前腕にかけて生じる痛みです。安静にしているときには痛みを感じないことが多いのですが、手首を動かしたり指に力を入れたりしたときに、ズキッとした衝撃が走るのが特徴です。具体的には、以下のような動作で痛みを感じやすくなります。
- 物をつかんで持ち上げる時
- タオルや雑巾を絞る動作をした時
- ドアノブを回したり、重い扉を開けたりする時
- キーボード入力やマウス操作を長時間続けた時
これらの症状は、最初は「なんとなく違和感がある」程度から始まりますが、適切な処置をせずに使い続けると、次第に痛みが強くなり、握力が低下したりペットボトルの蓋を開けることさえ困難になったりすることもあります。肘の関節そのものが腫れることは稀ですが、骨の出っ張り部分を指で押すと強い痛みを感じることが一般的です。
詳細については「ひじ・腕・手の症状」のページも参照してください。放置してしまうと、痛みをかばって肩や手首にまで不調が広がってしまう恐れがありますので注意が必要です。
テニス肘の原因について
テニス肘の主な原因は、手首を反らせたり指を伸ばしたりする時に使う筋肉と、その筋肉が肘の骨に付着している「腱」の部分に過度な負担がかかることです。特に「短橈側手根伸筋」という筋肉の付け根が、繰り返しの動作によって傷んでしまうことが原因の多くを占めています。
使いすぎによる負荷
最も多い要因は、手首の使いすぎです。スポーツではテニスのバックハンドストロークが代表的ですが、日常生活での掃除、料理、育児、重い荷物の運搬なども大きな負担となります。短期間に集中して負担がかかるだけでなく、長年の積み重ねによって腱が少しずつ傷んでいくケースも非常に多いです。
加齢による組織の変化
年齢を重ねるにつれて、全身の筋肉や腱は少しずつ弾力性を失い、傷つきやすくなります。テニス肘は30代後半から50代の方に多く見られる疾患ですが、これは若い頃と同じ感覚で腕を使っているつもりでも、組織の回復力が追いつかず、微細な損傷が積み重なってしまうためだと考えられています。
身体の使い方と柔軟性の不足
肘だけの問題ではなく、肩甲骨周りや背中の硬さが原因になっていることも少なくありません。体の柔軟性が低下していると、腕だけの力で動作を行おうとするため、結果として肘の筋肉に過剰なストレスが集中してしまいます。当院のリハビリテーションでは、こうした全身のバランスも精密に評価いたします。
テニス肘の病気の種類について
肘の痛みには、テニス肘以外にもいくつかの似たような疾患があります。正確な診断を行うためには、これらを見分けることが重要です。
- 上腕骨外側上顆炎・・いわゆるテニス肘です。肘の外側が痛み、手首を甲側に反らす動作で悪化します。
- 上腕骨内側上顆炎・・ゴルフ肘とも呼ばれ、肘の内側が痛む病気です。手首を手のひら側に曲げる動作で痛みが出ます。
- 変形性肘関節症・・加齢や過去の怪我、重労働によって肘の軟骨がすり減り、関節が変形する病気です。
- 肘部管症候群・・肘の内側を通る神経が圧迫され、小指や薬指にしびれが出る疾患です。
テニス肘の診断では、いくつかの誘発テストを用います。例えば、手首を反らす動きに抵抗をかけた時に肘に痛みが出るかを確認する「トムセンテスト」や、中指を伸ばす動きに抵抗をかける「中指伸展テスト」などです。当院ではこれらの診察に加え、必要に応じてMRI精密検査を用いることで、腱の損傷具合や炎症の程度を詳しく確認します。
MRIによる検査については「MRI精密検査」のページで詳しく紹介しております。
テニス肘の治療法について
田中整形外科クリニックでは、患者さんのライフスタイルや痛みの程度に合わせて、段階的な治療を行っていきます。多くの場合、まずは手術をしない保存的治療から開始します。
安静と活動の調整
治療の基本は、炎症が起きている部位を休ませることです。完全に腕を使わないことは難しいため、痛みの出る動作を極力避け、手首の使い方を工夫していただくことからアドバイスします。日常生活の中でのちょっとした意識の変化が回復への近道となります。
薬物療法と物理療法
痛みが強い時期には、消炎鎮痛剤の飲み薬や湿布を使用して炎症を抑えます。また、当院のリハビリテーション室では、電気治療器や牽引機などの設備を用い、患部の血行を促進して組織の修復を促す物理療法も行っています。台数も豊富に用意しておりますので、スピーディーな対応が可能です。
装具療法(エルボーバンド)
テニス肘専用の「エルボーバンド」の使用も効果的です。肘の少し下の前腕部分を圧迫することで、筋肉の力を骨の付着部に直接伝えないようにし、安静を保ちやすくします。装着位置が非常に重要ですので、当院のスタッフが丁寧に指導させていただきます。
リハビリテーションと運動療法
当院が最も重視している治療の一つです。痛みが落ち着いてきたら、硬くなった前腕の筋肉をほぐすストレッチや、筋力を回復させるトレーニングを開始します。国家資格を持つ理学療法士が、再発防止のための正しい体の動かし方を一対一で丁寧に指導します。
リハビリの取り組みについては「当院のリハビリについて」のページをご覧ください。
PFC-FD療法(再生医療)
保存的治療を続けてもなかなか改善しない場合や、早期のスポーツ復帰を望まれる方には、ご自身の血液から抽出した成分を利用するPFC-FD療法という選択肢があります。これは近年注目されている、組織の自己修復能力を促す先進的なアプローチです。手術を検討する前に、ぜひ一度ご相談いただきたい治療法です。
PFC-FD療法の詳細については「PFC-FD療法」のページを確認してください。
テニス肘についてのよくある質問
Q1.一度良くなっても、また再発することはありますか?
A1.テニス肘は再発しやすい疾患の一つです。痛みが取れただけで根本的な原因である「腕の使いすぎ」や「筋肉の硬さ」が改善されていないと、再び同じ場所に負荷がかかってしまいます。当院では治療の終了後に、ご自宅でも続けられるストレッチや、日常生活での注意点をしっかりとお伝えし、再発しない体作りをゴールとしています。
Q2.スポーツをしながら治療することは可能ですか?
A2.痛みの程度によりますが、完全に休止しなくても、練習量を減らしたりフォームを修正したりしながら治療を並行できる場合があります。当院の院長は日本整形外科学会認定スポーツ医であり、プロから部活動生まで多くのスポーツ選手をサポートしてきた経験があります。競技特性を考慮したアドバイスをさせていただきます。
Q3.家でできるセルフケアはありますか?
A3.前腕のストレッチが非常に有効です。手首を反対の手でゆっくりと曲げ、前腕の外側の筋肉が心地よく伸びているのを感じながら20秒ほどキープしてください。お風呂上がりなど血行が良い時に行うのがおすすめです。ただし、痛みがある時に無理に伸ばすと逆効果になることもあるため、具体的な方法は受診時に詳しく説明いたします。
Q4.どれくらいの期間で治りますか?
A4.個人差が非常に大きいですが、数週間から数ヶ月かかることもあります。腱という組織は血流が乏しいため、皮膚や筋肉に比べて修復に時間がかかるからです。焦らずじっくりと取り組むことが、結果として近道になります。当院では20分という限られたリハビリ時間の中でも、患者さんが効果を体感できるよう精一杯努めています。
院長より
肘の痛みは、命に関わるような大きな病気ではありませんが、何をするにも痛みを感じるため、精神的なストレスも大きなものになります。雑巾も絞れない、カバンも持てない、そんな日常の小さな不便が積み重なると、心まで沈んでしまうことがあります。私たちのクリニックは、そんな患者さんの不安に寄り添い、笑顔で元通りの生活を送れるようサポートすることを目指しています。
田中整形外科クリニックは、現名誉院長である父がこの苦楽園の地に開業して以来、30年にわたり地域の皆様と共に歩んできました。私が院長を引き継いでからも「街のおまわりさんのようになんでも相談できる場所」でありたいという理念は変わりません。日本整形外科学会専門医として培った知識と経験、そして最新の設備を活かし、お一人おひとりに適した丁寧な診療をお約束します。
特に当院では「痛みが出る前の予防」と「再発させないためのリハビリ」に強いこだわりを持っています。国家資格を持つ専門スタッフが、109平方メートルの広々としたリハビリ室で、あなたの回復を全力でバックアップします。単に痛み止めの薬をお出しするだけでなく、なぜ肘を痛めてしまったのか、その根本的な理由を一緒に見つけていきましょう。西宮市の皆様が、いつまでも好きなスポーツを続けられ、元気に家事や仕事に励めるよう、私たちがお手伝いいたします。肘に少しでも違和感があれば、迷わずにご相談ください。スタッフ一同、温かくお迎えいたします。
